キャバクラには「ポイント制」や「バック」といった独自の給料システムがあり、特に働き始めの女の子にとっては、「なんだかよくわからない」まま、給料をもらっていることもあるようです。
また給与システムは、お店ごとにも違いがあるので、「全然わからない」と理解が進まない原因にもなっているのかもしれません。
ここでは、キャバ嬢の給与明細を、わかりやすく分析していきます。
まずは時給のシステム(ポイント制)を紹介します。
ポイントを貯めれば貯めるほど、時給がアップしていくのが特徴です。
1.ポイントスライド制
大半のお店で採用されている給与システムです。
指名の本数や同伴の回数をポイントとして換算して、その合計ポイントを時給として反映させます。
例えば1時間ごとの本指名が1ポイント、場内指名が0.5ポイント、同伴が2ポイントの場合、0から9ポイントまでの時給が3000円で、10ポイントから19ポイントまでの時給が3500円という形で算出されます。
締め日は月に1回のお店と、月に2回(半月に1回)のお店に分かれます。
2.売上スライド制
本指名のお客さんの売上の合計金額が、時給に反映されます。
例えば、売上が10万円から19万円までの時給が3500円で、20万円から29万円までの時給が4000円といった形となります。
指名のお客さんが少なかったとしても、一人あたりの売上高で時給が上がっていくので、「太客」を持っているキャバ嬢にとってメリットのあるシステムかもしれません。
3.固定時給制
ポイント制と違い、売上や指名の本数に関わらず、一定の金額が支払われます。
始めたばかりのキャバ嬢に対して、お客さんを持てるようになるまでの間、適用されることが多いシステムです。
お店によっては、前月の売上が多かった(少なかった)場合、翌月の時給を上げる(下げる)パターンもあるようです。
時給以外から発生するインセンティブ収入です。
1.本指名バック
お客さんから本指名を受けた場合に得られる収入です。
一般的には500円から1500円の間が多いようですが、お店によっては1500円というところもあります。
2.場内指名バック
フリーのお客さんにお店に入ってから指名される「場内指名」で適用される収入です。
本指名バックの半額程度があるお店と、まったくないお店に分かれます。
3.場内延長バック
場内指名バックと同様、本指名バックの半額がもらえるお店と、そもそもそういったシステムのないお店があります。
4.ボトルバック
本指名のお客さんが注文したボトルやワインやシャンパンの料金の10%から15%が、キャストの収入となります。
5.同伴バック
お店に出勤する前にお客さんと一緒に食事をしてから、そのまま入店した場合(同伴)に適用されます。
2000円から5000円の間くらいが相場のようです。
6.売上バック
本指名のお客さんからの売上の何パーセントかが収入になります。
どちらかと言うと高級店に多いシステムです。
キャバ嬢の中には、完全売上バック制を採用してもらい、売上の40%から50%を給料としてもらっている人もいるようです。
7.ドリンクバック
お客さんがキャスト用にドリンクを注文してくれた場合に発生する収入です。
1杯あたり100円から500円の間ですが、200円に設定しているお店が多いようです。
8.出勤日数
キャバクラのお店はキャバ嬢がいることで成立しています。
そのため、お店によっては、月のうち何日以上出勤した場合に支払われるバックがあります。
9.友達を紹介する
キャバ嬢がお店に自分の友だちを紹介して、新たにキャストとして採用された場合、発生するバックです。
お店としては、求人広告に支払うよりも安上がりなので、歓迎されるようです。
税金などの給料から引かれる費用です。
この金額を時給やバックの合計から差し引いた金額が手取り収入となります。
(時給+バック-税金-費用=手取り金額)
1.税金
源泉徴収税としたトータルの支給額から10%(+復興特別所得税0.21%)が差し引かれます。(復興特別所得税は2037年まで徴収されます)
会社員との兼業の場合、キャバクラから年間で20万円以上の所得がある場合、確定申告の対象となります。
確定申告をすることで、所得税還付金がもらえるケースもあります。
2.ヘアメイク費用
お店によって、専属のヘアメイク担当の方にセットしてもらうパターンと、お店が契約している美容院でセットしてもらうパターンがあるのですが、いくらかをキャストの給料から費用として徴収することもあります。
3.送り代(送迎)
深夜に終電がなくなった後に、お店が契約しているドライバーに、自宅まで車で送り届けてもらいます。送り代の相場は500円から3000円と言われています。
タクシーで毎回帰宅することを考えると安いかもしれません。
4.レンタルドレス
お店によって、無料でレンタルできるところと、レンタル代を差し引くところがあるようです。
5.厚生費
送りやヘアメイクやドレスのレンタル費用をトータルしたものを「厚生費」の名目で、徴収するお店もあるようです。
6.罰金
遅刻や欠勤に対するペナルティとして、給料から差し引くお店もあります。
7.日払い金額
日払いで給料をもらった場合、前借りという扱いになるため、元の給料から引かれます。