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水商売での「キャラクター」の作り方。
前編ではキャラクターが不可欠な理由と、「人がやっていないことをやる」という基本のお話をさせていただきました。
今回はさらに掘り下げたキャラクターの作り方をお話したいと思います!
水商売をしている中で、避けて通れないことのひとつが「お客様からのなにげない中傷や暴言」かと思います。
接客に慣れてしまえば「お酒も入ってるし、よくあることだな」と受け流せるようになるのですが、慣れるまではなにげない言葉のひとつひとつを真剣に受け止め、悩んでしまいますよね。
例えば「全然好みじゃない」とか「ブス」とか「太ってる」とか「ガリガリ」だとか。
普段面と向かって言われる言葉ではないので、傷ついてしまうキャストさんは多いです。
しかしコレ、水商売の世界では日常的に遭遇するもの。
というのも、お客様の目的自体が「自分好みの商品を選びに来ている」なので、当たり前のことなのです。
想像してみてください。
あなたはハイブランドのお店にバッグを買いに来ました。
「好みの色・柄じゃないもの」「欲しいサイズではないもの」を出された場合、なんと思いなんと答えるでしょう。
そしてキャバクラでは、この「商品を選んでいる時間」にも高額な料金が発生しているのです。
「目の前に出されたものの特徴やデメリットの指摘」が第一に来てしまうのは、ものを選ぶ作業をしている人間の無意識な心理。
そう割り切って受け流して行かないと、キャラクター作りを邪魔する罠にはまってしまいます。
キャラクター作りを邪魔する罠とはズバリ、「悪いところを直そうとしてしまう」ところです。
人は「否定」されることに強く嫌悪しますよね。
そのため否定されることへの不安や焦燥から、「悪いところを直そうとする」ことばかりに必死になってしまいます。
たとえば入店したてのキャストさんは「キャバ嬢っぽくない」という一言に傷つき、まわりと同じような恰好・接客を目指してしまったり。
「ブス」といじられた経験のあるキャストさんは、メイクや顔の作りのことばかりを気にするようになってしまったり。
「話しがつまらない」と言われた日には、次のお席から自分の話し方や話の内容ばかりで頭がいっぱいになってしまうことでしょう。
これ、なぜだめかというと、明確な理由があります。
初見で好みと合わない主張をした客層というのは、「今の自分がもっとも指名を取りづらい」層でもあるのです。
その層に否定された部分を直そうとする・・・という行為はズバリ!
「今もっとも指名を返せる確率の低い顧客層のニーズにこたえようとする」ということなのですね。
冷静に考えて、第一段階では、もっと確率高いところ確実に狙ったほうがいいじゃん・・・?\(^o^)/
ちなみに水商売だけでなく、恋愛面や仕事面でも、この罠に陥っている女性は多く見受けられます。
一般受け・万人受けこそが正義!と個性を消し始めてしまうのです。
このような理由から、水商売の世界では入店時に備わっていた「個性」を消し、中庸になって行くキャストさんがとても多く、非常にもったいなく感じていました。
時に他人から見て「悪いところ」、自分から見て「コンプレックス」な部分って、その人の「個性」そのものなのです。
そして「中庸」の枠に自ら入ってしまったら最後、お店でトップレベルのキャストさんたちと王道ルートで競わなければいけなくなります。
そして中庸を抜きん出るまでは「キャバクラによくいそうな子」扱いになってしまうため、「一番に選ばれる」つまり指名を返すことが難しくなってしまうのです。
もちろんマナーの面やキャストとして不快を与えてしまうような部分があれば、改善すべきだと思います。
しかし、他人から否定されたことが「すべての人にとってのマイナス・デメリットなのか」は、毎回立ち止まって考えてみたほうがイイですね。
ワタクシ昔々、一般企業で人事や人材育成の仕事を長くしておりました。
その際雇用したスタッフの特性・個性を無視し「一般的な仕事の出来高を求め改善させる」のではなく、はじめから適材適所の布陣を敷いたほうが成果率が高かったのです。
キャバクラはキャストさんそれぞれが個人事業主。
簡単に言えば、店舗&男性スタッフを借りて「自分」という会社を経営しているということになります。
そのため「自分」というキャラクターや個性を、自分がきちんと「適所」に置いてあげなくてはいけません。
そのためにはいち早く「自分が何が得意なのか」の見極めが必要になります。
まず最初に考えるべきは、自分の適所(指名が返る確率の高い顧客層)はどこになるのか。
その適所を見つけたら、ひたすらその層へ向けた「個性」「キャラクター」を煮詰め伸ばしていくこと。
そしてその「個性」や「キャラクター」の多くが、「コンプレックス」から生まれることがほとんどなのです。
ちなみに本当にここだけの話なのですが、ワタクシが新人時代お客様から指摘されまくったコンプレックスは
水商売の女性にしては真面目、硬すぎる
お酒癖が振り切って悪い
センスがダサい
です\(^o^)/ぎゃぁ
最終的にはこのコンプレックスたちがギャップを生み、自分のキャラクターとして定着しました。
基本お堅い雰囲気だけど、飲ませればすぐにぶっ飛び、ちょっとダサいから敷居が上がり過ぎない・・・。
えっと、自分で言って少し悲しくなりましたが、めげない\(^o^)/
指摘されたことを完璧に直そうとしてしまったら、きっと無個性のキャストになっていたとは思います。
これを読まれている皆さまのご参考になるかはわかりませんが、ちょっとした小話として心に留めていただけると幸いです。
・悪いところをすべて完璧に直し、良いところだけ伸ばして行く・・・だなんて、出来たらみんなやってるよね
(難易度高すぎるので、ワタクシはやりません!)
・良いところ・もともとある個性を伸ばすことを先行したほうが成果が出るのが早い
(気持ちも折れにくいです)
・個性を消して中庸になってしまうと、王道という名の茨の道が待っている
それなりに美しく、それなりに話もうまく、それなりに気が利く。
妻にするならば理想で素敵な女性像だと思います。
しかし水商売上では、「無難」では売れません。
料金の発生している世界で瞬時に選ばれるためには、よくも悪くもインパクト、「個性」「キャラクター」が必要になります。
顧客の冷静さや判断力を奪い、成果を上げるためには「無難」スタートだと回り道になってしまうのです。
そして自分の個性やキャラクターを上手に操作できるようになると、先にお話ししました「ニーズと合わないバッグ」でも売れるようになります。
たとえ顧客の好みや希望するサイズと合わなくても、「自分はそのバッグの良さやメリット、売り込み方」を知っているので、違うアプローチの仕方で営業することが出来るようになるのです。
すぐに違う商品をおすすめするのも良いのですが、キャバクラでの商品在庫はつねに1つ「自分のみ」。
違う商品をおすすめするということは、別のキャストにお客様をバトンタッチしてしまうということ。
これは何がなんでも避けたいですよね。
優秀な営業マンは商材を選びません。
そしてニーズの合わない顧客にものを売るためには、売りたい商品(自分)の特性成果率の高い売り込み方を誰よりも把握し煮詰めておく必要があります。
そのため自分の「キャラクター」「売り込み方」の分析が必要になるということですね。
キャラクター作り・分析もまた、色々なお仕事に応用が利きます。
水商売でのキャラクター=商品の売り込みポイントと認識し、ぜひ生活やお仕事に落とし込んでみてください。
すべての女子よ、幸せになれ\(^o^)/
夜神つかさでした。
前回の水曜も夜ふかし…【水商売での「キャラクター」の作り方(前編)】
過去の水曜も夜ふかしは、全コラム一覧からお読みいただけます。
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夜神つかさ@水商売営業の人
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約15年人をこまして飯を食ってきた悪いアラフォーおば…お姉さんです(引退済)/キャバキャバにて営業術コラム「水曜も夜ふかし」連載中(https://caba2.jp/blog/yagami_yofukashi/…)/㈱キメラ代表取締役/発達障害(ADHD)/息子と夫(再婚)を溺愛/無言フォローお気軽にドゾ😌