お待ちしておりました。
今夜もご来店いただきありがとうございます、夜神つかさです。
前回に引き続き、長い水商売人生の中で出会ってきた有名嬢・人気嬢さんとのエピソードをお話したいと思います。
今回も皆さんのスキルアップやメンタル向上につながるスパイスを投入しつつ、さっそく本題に参りましょうか。
前編 【第二十夜】 のコラムはこちら👇
Dちゃんは当時ワタクシが在籍していたお店のナンバー常連嬢でした。
Dちゃんは一般的な有名嬢・人気嬢とは少し違ったタイプの女のコ。
なぜならお客様の前でも自分のことを「ゴリラ」や「ブス」と言っていたのです。
華のある整った顔立ちのキャストさんと比べてしまったら、たしかに外見は不利だったかもしれません。
Dちゃんと初めて遭遇したときの正直な第一印象は、「関西のオバちゃんノリだな~!」です。
当時まだまだ経験の浅かったワタクシ、「水商売では女性としての魅力や利点を駆使しない限り、絶対人気は出ない」と思っておりました。
しかし!
この認識をDちゃんは根本から覆してくれましたね。
お客様の席では自分の外見を自虐。
笑い方も威勢がよく、女性らしいしとやかさは皆無。
芸人のネタばりによくしゃべる、騒ぐ、盛り上げる。
1から10まで観察しても、「女の武器」を一切使っていないのです。
その代わり彼女が席につくと、たちまち場が明るく盛り上がる。
お客様につく瞬間も、Dちゃん特有の「つかみ」のアプローチがあるため、お客様方は「面白いやつが来た」「なんか変な女が来たぞ」と毎回雰囲気が沸いていましたね。
嫌味にならないマシンガントークは、さながら一流スポーツ選手の技を見せられているようでした。
Dちゃんと一緒に席につく際は、キャラを食われないよう・自分のトークが霞んでしまわないよう・・・とにかく必死でしたね~。
外見の美しさでお客様票を得られるキャストさんもライバルとしては脅威です。
しかし会話力・人間力の高いキャストさんは
その場にいるすべての視線を自分に向けさせることに長けている
お客様・キャストの双方が会話流れをそのコにゆだねてしまいやすい
つまり場がそのコの独壇場になりやすい
という、恐ろしい脅威があるのです。
会話がうまいキャストさんと一緒に席につくと、相手のトーク力の高さに自分の口数が減ってしまったり、つい消極的になってしまったりしませんか?
高いトーク力を持った陽キャラキャストさんは、無意識にポジティブにライバルつぶしが出来てしまうんですよね。
さらにDちゃんは色恋営業には目もくれず、ひたすらお客様の「楽しさに貢献する」接客スタイル。
普段も性格の良いコだったので、お客様には信頼され可愛がられているのが見てとれました。
水商売をする上で「外見を武器にしない」「女性としての魅力を使わない」、これらの選択をし別の能力に特化しようとすることは、女性としては相当のメンタルが必要になります。
自分の立ち位置や持ち物を客観視し、どの能力を磨けば売れるのか、冷静に自己分析し続けていたDちゃん。
必要以上に「女」を持ち出さなかったこと、会話や人間力特化で支持されるスタイルを確立したことで、逆にお客様との「切れにくい」関係が築けていたような気がします。
このDちゃんのスタイルは、ワタクシ個人的には理想型。
Dちゃんを参考にするようになって以降、「男女としての繋がり」に頼りすぎることなく、「人間として繋がれる」ことを最終目標に、お客様との関係性・接客内容をつねに微調整するようになりました。
この営業スタイルは「お客様がガチ恋になりづらい」「女を意識させ過ぎないため、口説きが減る」「お客様が最も切れやすい恋愛感情のトラブルが起こりにくい」などメリットもとても多かったです。
相応の精神力や会話スキル向上が必須になりますが、これもまた成功スタイルの一つなのではないでしょうか。
最後に登場するのは超人気嬢Eちゃん。
こう水商売歴が長いと、複数店舗で在籍がかぶるんですよね\(^o^)/
2店舗で一緒に働いたことのあるEちゃん、最初の店舗ではまだ歌舞伎町にうつったばかりのようでした。
Eちゃんの印象は「つねに元気」「つねに笑ってる」「つねに明るい」です。
チャーミングな外見とポジティブな接客スタイルで、たちまち人気が爆発したEちゃん。
指名のお客様に「指名になったきっかけ」を聞くと、決まって「いつも明るくふるまってくれる」「いつ来ても元気をくれる」といったような返答がありました。
遠い昔、「つかさちゃんって病むこととかあるんですか?私最近仕事にちょっと病んでて」と相談を受けたことがありました。
これがね、面白いんです。
その「病んでる」と言う口調・しぐさ・・・まったく病んでるように見えないの\(^o^)/
つねに語尾に「♡」がついてるような話し方なの\(^o^)/
病んでても同性に対しても、とにかく可愛らしいの\(^o^)/天使かな?
ご本人も「病むことなんてなさそうと言われちゃうのが悩み」とおっしゃってました。
「つねに明るく、ひとに不快を与えない態度・ふるまい」を徹底して来た反動なのか、人並に病んでいるオーラを表に出すことすら難しくなっていたのでしょうね。
本当にいつも笑顔で努力家のイメージしかなかったです。
キャバクラというとナンバー争いや嫉妬など、キャスト同士のトラブルも頻発します。
Eちゃんに向けて不満や嫉妬をあらわにするキャストさんもたびたび見かけました。
しかしEちゃんはお客様の前はもちろん、営業外の裏側でも他キャストに対する悪意をあらわにしているところは一度も見たことがありません。
そのため感情をあらわにぶつけるキャストさんは「二流」に、心を動かさず明るさを貫くEちゃんは「一流」に、ワタクシ含めまわりが自然とそう評価していたように思えます。
それはきっと、お客様も同じだったはずです。
外見の美しさ・接客の上手さ以外に、キャストの質が枝分かれする部分があるとすれば、最終的にはこういった「人間としての強さ・美しさ」なんじゃないかな、と日々思います。
今まで沢山のキャストさんを見てきましたが、Eちゃんはおそらく誰よりも「売れている理由が明確にわかる」キャストさん。
売れるべくして売れた女性、というイメージでしたね。
前編・後編にわたり「心に残る有名嬢・人気嬢の裏話」をお話しさせていただきました。
ご紹介しました全員が、実力を備えた優秀なキャストさん。
しかし全員の外見や雰囲気、性格、接客スタイル・・・必ずしも共通してはいません。
それどころか各々強い個性が際立っていました。
そして売れるまでのプロセスもそれぞれ個人によって全く違っていたのではないかと思います。
自分の外見やスキルがよくある「王道」から外れてしまっていても、そのキャストさんにふさわしい「売れるまでの道筋」が必ずあります。
プロのアスリートの練習メニューが個人によって全く違うように、みんなと同じやり方をしても結果に繋がらないからと嘆く必要はありません。
「自分の強みと弱み」を正確に客観視・分析し、独自の成功ルートを模索する作業をつねに心がけてみてください。
他の誰と比べるでもなく、「自分自身」の機能を最大限上手に利用できたひとが成功ルートを歩めるのではないかな、と常々思います。
すべての女子よ、幸せになれ\(^o^)/
夜神つかさでした。
前回の水曜も夜ふかし…【心に残る有名嬢・人気嬢の裏話(前編)】
過去の水曜も夜ふかしは、全コラム一覧からお読みいただけます。
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約15年人をこまして飯を食ってきた悪いアラフォーおば…お姉さんです(引退済)/キャバキャバにて営業術コラム「水曜も夜ふかし」連載中(https://caba2.jp/blog/yagami_yofukashi/…)/㈱キメラ代表取締役/発達障害(ADHD)/息子と夫(再婚)を溺愛/無言フォローお気軽にドゾ😌