トップクラスのキャバ嬢は、客が自分に求めているものを敏感に察して、求められている女性像を演じることで癒しを与えるのが上手。
キャバクラの本来の目的は来店した男性に癒しを与えることです。
キャバクラとは、そのようなオンデマンドな空間であると言えます。
売れるキャバ嬢が、具体的にはどの様な接客をすることによって客の心を掴んでいるのかを見てみましょう。
客が来店した際には、できるだけ長くいてほしいに違いありませんが、売上を伸ばすキャバ嬢はそうしません。一回に2時間いてもらうよりは、1時間を2回にしてもらう方を選びます。
「長くいたらお金かかっちゃうでしょ?1時間だけでいいから月に2回来てほしい」と言うのです。言い回しは「たくさん会いたい」でも「あまり負担をかけたくないから1時間だけでいいよ」でも何でもいいですが、とにかく会う回数を増やします。
なぜならば、人は合う回数が多ければ多いほど好感度がアップします。これは、心理学で言うところの単純接触効果というもの。
1回2時間も1時間2回も金銭的な負担は変わらないため、それならば好感度がアップしやすい後者の方がいいに決まっています。
実質的な負担は変わらないとしても、1回で多くのお金を使うよりもそれを数回に分割した方が、客としても精神的な負担が軽減されます。
このテクニックは「熟知性の効果」といい、これを考慮するとしないとでは親密になるスピードが明らかに違うわけです。
「今日は楽しかったよ。来週もまた会いたいな」などというキャバ嬢は多いのですが、何も考えずにこのように言っているわけではありません。
キャバクラでの会話というものは、内容は濃くありません。ほとんどの会話は内容が薄く、会話しては消えていくよう内容ばかり。帰ってから「何を話したかな?」と思いだそうとしても、断片的にしか思い出せないものです。
しかし、帰りの一言だけは違います。
「来週もまた会いたいな」という言葉だけは記憶に残ります。
これは、人は最後に聞いた言葉に強く影響されるという「親近効果」というものです。つまり、帰り際にダメ押しの一言をかけることによって、相手の記憶に残りやすくなって客は来週も来店する確率が高まるのです。
客は、キャバ嬢からお店に来てほしいと営業の電話を受けることがありますが、これも何も考えずに闇雲に電話をかけているわけではありません。
例えば、しばらく来店していない客に対しては、来店から21日目、つまり3週目に営業電話をかけます。
お店やそのキャバ嬢から心が離れそうになっている客に対しては、離れてほしくないからと毎日電話をかけては逆効果です。
少し間を置いた方がよいのです。
キャバクラだけではなく、他の商売における営業電話やDMは、最初にアプローチをかけて反応がなかった客に対しては、21日目に再度営業を仕掛けるのが最も効果的であることが分かっています。
客が求めるキャバ嬢の立ち位置は大きく分けて4つあります。
・母親的ポジション
・友達的ポジション
・恋人的ポジション
・娘的ポジションの4つです。このポジションは相手に何を求めるかによって選択が分かれます。
それは、肉体関係を求めているのか求めていないのか、ドキドキするか、ホッとするかというものです。このことから分析すると次のようになります。
●キャバ嬢に肉体関係を求めず、安心感を求める客は母親的ポジションを求めます。会社などで嫌なことがあった時に甘えさせてくれるキャバ嬢などが適しています。
●キャバ嬢に肉体関係を求め、安心感を求める客は友達的ポジションを求めます。母親的なキャバ嬢と同じく、自分の弱さを含めた色々な話をすることができるのですが、何かのはずみで恋愛感情を持ってしまう可能性もあります。
●キャバ嬢に肉体関係を求めず、ドキドキ感を求める客は娘的ポジションを求めます。そのキャバ嬢とHをしたいとは思わないのですが、どうしても放っておけず甘えてほしいし守ってあげたいと思います。
●キャバ嬢に肉体関係を求め、同時にドキドキ感も求める客は恋人的ポジションを求めます。これは恋愛感情がベースとなっているのですから、当然と言えるでしょう。
お気に入りのキャバ嬢が見つかった時には、無意識のうちにポジショニングしている客は多いものです。キャバ嬢は、それぞれの客が自分に求めていることを察知して、そのキャラを演じてあげる仕事。
かといって、肉体関係を求めている相手とHするという意味ではありません。超えないラインで「その気」にさせて引っ張るのがキャバ嬢のテクニック。客を観察して欲求を探ることも、キャバ嬢に求められるスキルの一つです。
基本をしっかりマスターし、いろんなタイプの男性を相手できるようになっていくと指名も増えるのでないでしょうか。