キャバクラに通うお客様の半分以上は、特に指名する女の子がいないフリーの状態のお客様です。フリーということは、つまりお気に入りのキャバ嬢がまだその店にはいないと言うことですから、指名をしてもらえるチャンスということは理解してもらえると思います。
しかしなぜ「チェンジ」するタイミングが指名をもらえるチャンスなの?と思う方もいるかもしれませんが、実はこれにはしっかりした理由があります。
先に結論から述べると、正確にはチェンジのタイミングが指名をもらえるチャンスなのではなく、チェンジのタイミングが「そこまでに作り上げた指名をもらえるチャンス」をものにする最高のタイミング、というのが正解です。いくら相手のお客様がフリーでお気に入りのキャバ嬢がいないとは言っても、いきなり席に着くなり指名してくださいとお願いすれば指名がもらえたりするわけではありません。それどころか相手は最初から指名をする気などない可能性の方が高いと言えます。そういうお客様相手の場合には、たとえ会話が盛り上がったり、好みだと誉められたとしても逆に指名は取りづらいものなのです。
そんな状況を打破する可能性を秘めているのがこの「チェンジ」の際の一瞬のタイミングなのです。では、その理由を説明していきましょう。
先程も述べたようにフリーで来店するお客様は意外とガードがかたく、そう簡単には指名をくれない人が多いです。ですが、決して絶対に指名してくれないというわけではありません。
キャバクラにきている以上、自分のタイプや気の合うキャバ嬢と楽しい時間を過ごしたいと考えているわけですから、仮にそういった子が現れれば当然嬉しいでしょうし、もっと一緒に楽しい時間を過ごしたいと思うのは自然な考え方の流れです。勘の鋭い方ならすでにピンとこられていると思います。
お客様からすれば、フリーで来店して偶然見つけたお気に入りのキャバ嬢がチェンジで「入れ替わってしまう」タイミング。店側からすれば、チェンジまでの間にお客様のお気に入りになれたのならば、そのお気に入りが「いなくなってしまう」このタイミングが指名を頂ける最大のチャンスなのです。
ですから大前提としてお客様のお気に入りになる必要があります。通常入れ替えまでの時間は20~30分くらいしかありませんから、その短い時間でいかに自分の魅力を最大限にアピールできるかが重要になります。仮にお気に入りになれたとしても、時間がきてただ挨拶だけをしてその場を去ろうとしてしまっては折角の苦労が水の泡です。余程のことがない限りお客様の方から指名を申し出てくれることはありません。
ですが、ほんの少しお客様にとって「指名をしやすい環境」を整えてあげれば話は変わってくるのです。
ではお客様にとっての指名しやすい環境とは何か?
これは全然難しいことではありません。むしろ短時間でお客様のお気に入りになることが確信出来たのであれば8割型指名は頂けたと思っても良いでしょう。
それはたった一言「指名して頂けませんか?」と、お客様にお願いしてみることです。この際に「今日はとても楽しかったので」とか、「もっと色々なお話がしたいので」という言葉を場合に応じて付け足した方が良い場合もありますが、基本的にはこの一言を付け足すだけで指名を頂ける確率はグンとあがります。
たとえその日にお客様の都合で指名をもらえなかったとしても、同じお客様がまた来店する機会があればもっと指名を頂けるチャンスは増えるはずです。
その理由としては、1つは単純に自分からわざわざ過ぎ去ろうとする子を引き留めて指名するのにはなかなかに勇気がいるからです。それこそ言うタイミングが合わなければ尚更ですし、指名しようと思っていたけどタイミングを見計らっていたら逃してしまったから「まあ、いいか?」なんて思うお客様も実際結構います。
2つめの理由は、相手に自分は好意があると思わせることが出来るということです。
お客様から見れば、いくら演技だと理解しようとしても、頭の隅っこでは「もしかしたら自分は本気で好かれているのではないか?」とか「指名をねだってくるくらいだから少なくとも嫌われてはいないだろう」といった希望的思考が頭をよぎるはずです。もちろんこちらは商売ですから、お客様に楽しんで頂くためのサービスの1つであることに変わりはないですが、お客様に1度でもそう思わせることが出来ればその思考はお客様の頭に根強く残り、後々の色々な場面で有利に働いてくれます。
しかしながら、気を付けなければいけないのは、逆にお客様の心を掴め切れなかった時です。
そんな風に感じた時は決して無理矢理に指名を求めてはいけません。指名を貰えないどころか嫌われてはしまい、今後指名をしてもらえる機会を逃がすことにもなりかねません。
今日はダメだと感じた時は潔く退いて、また次の機会を待つということも時には大事だということもしっかりと頭に入れておきましょう。