いらっしゃいませ、今夜もご来店ありがとうございます。
最近ワタクシのところに「お客様に連絡先を聞くタイミングがわからない」「連絡先を聞いても断られてしまう」「うまい連絡先交換の方法を知りたい」などのご相談が相次ぎました。
女性って、私生活で男性相手に「連絡先を教えて」と交渉するような機会がなかなかないんですよね。
一般的にはナンパなど、異性に声掛けをする大多数が男性。
合コンなど新規の出会いの場でも、なんとなく「男性主導」でコミュニケーションが成り立ちます。
また女性主導で積極的にアプローチすることは「はしたない」「モテなさそう」など、悪いイメージを持たれやすい一面があるのも悲しいところ。
水商売をはじめたてのキャストさんが困惑してしまうのもよく理解できます。
ワタクシ自身のメンタルは「好きな男はみぞおちにパンチして誘拐すればいいじゃない」「NOとは言わせない(言えない)」と信じてやまない永遠のパワープレイヤー\(^o^)/
そのため今回お話する「連絡先交換のヒケツ」は特殊かもしれません。
基本の水商売営業術はすでにあふれかえっていますし、ちょっと変わった「ワタクシのやり方」にお付き合いいただけると幸いです。
ワタクシの営業の基本は「男性にNOと言わせるスキを与えない」がモットー。
「NO」が言えなければ、連絡先を教えるしかないですもんね。
それではさっそく連絡先交換のヒケツに参りましょう。
キャバクラでお客様に「連絡先を聞く」という行為は、様式美であり予定調和であり、ある意味「崩してはいけない・欠いてはいけない重要事項」。
なぜならほとんどのお客様が「キャバクラに行ったら連絡先を聞かれる」という認識を持っているから。
お客様は「キャバクラの接客」すなわち「自分がモテる空間」を買いにいらしてます。
そのためどんなにお客様の性格が悪かろうが、「営業されるのウザいから連絡先教えたくないんだよね~」なんてめんどくさ・・・じゃなく、ちょっといじわるな返しをしそうなお客様相手でも、「連絡先教えて!」と言わなければなりません。
「新規フリー客」というものは、「リピーターになる可能性を秘めた客層」です。
つまりキャバクラなどお店にとって「命」「起源」とも言える存在。
「常連さんじゃないから多少失礼があってもいいかな」と手抜き接客をしてしまうのは、お店や他キャストの「リピートの可能性」をつぶしてしまっていることになります。
たとえるならば、お冷の出て来ないレストランみたいなものかな。
出すも出さないもお店の自由ですが、お客様がお冷を飲む・飲まないにかかわらず「最初にお冷が出てくるもの」という意識が浸透しているため、なんかちょっと残念?失礼?。
「そんなあたりまえのサービスもしてくれないの?」と、顧客がひそかに不満を発生させてしまう部分でもあります。
入店したての頃はどの店でも「席を抜かれるときに連絡先交換をする」という指導がされますよね。
営業知識が十分でない時期や接客に慣れるまでの間は、この流れを基本とするのが良いと思います。
しかしいつの間にか「連絡先は必ず席を抜かれたタイミングで」という意識を強く固めてしまうキャストさんがいます。
これは正直すこし残念。
なぜなら連絡先の交換は「いつしても良い」「席を抜かれるタイミングが最も成功率が高いわけではない」ものだから。
また席を抜かれるタイミングで連絡先を聞くキャストさんが多いため、お客様の中には「仕事だから聞いてくれるのか」「営業臭を感じる」ととらえる方も少なくありません。
連絡先交換の成功率を左右するカギは「連絡先交渉をする直前の話題」に限ると思います。
わかりやすいよういつもの会話形式でご紹介しますね。
A子の場合
お客様「趣味は釣りだよ」
A子「釣りはしたことないけど興味ある!海釣り?川釣り?」
お客様「海メインだね」
A子「どんな魚釣るの?」
お客様「今の季節は〇〇が面白いよ」
スタッフ「A子さんお願いします」
A子「わーん、席抜かれちゃったから連絡先聞いてもいい?」
B子の場合
お客様「趣味は釣りだよ」
B子「釣りはしたことないけど興味ある!海釣り?川釣り?」
お客様「海メインだね」
B子「釣った魚の写真見たい!送って~!」
お客様「たしかフォルダに保存してたなあ」
B子「それLINEに送って♪」
スタッフ「B子さんお願いします」
B子「えーまだ交換できてないし、釣りの話もっとしたいからいてもいい?」
A子は趣味の話題をうまく盛り上げていますが、「お客様との会話」と「連絡先交渉」がそれぞれ別物になり、さらにスタッフの声掛けで営業の流れが「分断」されてしまっています。
一方B子はお客様との会話を利用して「連絡先交渉」をし、スタッフの声掛けも会話の流れに自然に組み込んでいます。
A子の接客に間違いはないのですが、会話や雰囲気を分断することで「お客様をわれにかえらせる」「冷静になる機会」を与えてしまっています。
また連絡先を聞く理由が「席を抜かれたから」なので、連絡先交換をしたいを思わせるには少し弱いですね。
「席を抜かれる時間に合わせて趣味の話題を振るなんて、難易度高すぎる!できない!」というお声が聞こえてきそうですが、まさにその通り。
そんなときは「席を抜かれるタイミングで」という概念を一度捨てましょう。
席に着いた時間にかかわらず、「趣味の話を振った後は必ず連絡先交渉につなげる」ではどうですか?
これならわりと簡単に出来ますよね。
①趣味の話題を振る
②写真を送ってほしいと盛り上げる
③連絡先を交換する
というマニュアルを接客の中に組み込んでしまうのです。
「趣味の話題」というのはあくまで一例なので、自分の会話しやすいジャンル→連絡先交渉のマニュアルを好きに作ってしまってOKです。
以下は実際にワタクシが使っていた「連絡先交渉ワード」です。
「ぜったい顔覚えてもらいたいから今写メ送るね、連絡先教えて?」
「すごい好みのタイプだ~写メ送ってほしいから連絡先交換しよ!」
「〇〇の話できる人なんて貴重すぎる!ぜったい連絡先交換したい!」
「いい意味でキャバクラ来るタイプに見えないから、よけい連絡先聞きたくなるな~」
「普段モテまくってそうだし、どうせ連絡先聞いても教えてくれないんでしょ?」
など、「お客様のタイプ別」や「いろいろなパターンの会話流れ」に結び付けられる交渉ワードを3万種類ほど用意しておりました。
・・・嘘です。
たぶん5パターンほど用意しておけば、ある程度どんな会話流れでも連絡先交換には結び付けられるかと思います。
だって、一人のお客様につき「連絡先交換をする機会」は一度きりしかやってきませんから。
そこまで複雑・たくさんのパターンは必要ないということです。
ただしこのマニュアルは複数持てれば持てるほど「無駄にアセる機会」や「失敗する機会」を減らせるので、結果「ラクをしながら成果を出す」ことに繋がります。
万が一趣味の話題で盛り上がれなかった場合も、すぐに別ルートに切り替えることができますからね。
ちなみに上記すべてのパターンに共通することは、「お客様に興味がある」「キャスト側に連絡先交換をしたい理由が発生している」という点です。
「営業LINEがわずらわしい」と思ってるタイプのお客様には、まずコレがなければ簡単に連絡先交換を断られてしまいますから。
(4)までの内容ですんなり連絡先を交換して下さるお客様ばかりならば良いのですが、見るからに連絡先をしぶりそうなお客様、ハードルが高そうなお客様・・・いらっしゃいますよね。
そんなとき使いやすいワードが
「もしかしてキャバクラで連絡先聞かれたら教えないタイプだったりする?」
でした。
実はこのワード、「解釈の仕方によって全く別の意味」にとらえられるので、お客様から「冷静に断る」思考を奪うことができます。
自分にとってポジティブな意味にとらえるお客様相手だと
簡単に連絡先教えてくれなさそうなモテオーラがあるよね!
私みたいなキャバクラ嬢は相手にしてくれないかも・・・
連絡先聞いたら迷惑になっちゃうかな・・・
などと、思わず「そんなことないよ!」と言ってしまいたくなる解釈を引き出します。
反対にネガティブにとらえるお客様相手だと
キャバクラでお高くとまるタイプだったりする?
連絡先は絶対教えない頑ななタイプいるよね・・・
自意識過剰すぎない?
というように、「絶対連絡先教えないタイプです!」と言い切りづらい解釈を引き出します。
「そんなことないよ」と言ってくれるお客様とはそのまま連絡先交換をすればOK。
そして頑なに「連絡先交換はしないタイプ」というお客様に対しては、次の段階の「NOつぶし」をします。
「そういう硬派な人のほうが印象いい!むしろそういう男性と連絡先交換したかったの~!!」
「困ったなあ、ハードル高い男性ほど燃えるタイプなんだよねえ・・・」
などと、逃げ道を全方向ふさぎましょう。
ちなみに「キャバ嬢のLINEは見ないし返さないよ」というキャバ嬢殺しをして下さるお客様に対しては、「一緒だね!私もぜんぜん連絡しないタイプなんだけど、ともだち限定で面白いタイムライン更新してるから、それだけ見てみて♪」とダメ押ししておりました。
これで連絡先交換が達成すると、高確率で本指名で返ってくれましたね。
営業がとにかくわずらわしい、かといってよく知らないコをリピートする情熱もない・・・というタイプのお客様、なにげに多いです。
連絡先を教えず指名の決まらないまま浮遊している層でもあるので、実は競争率も低かったりします。
これらはあくまでワタクシ個人のやり方ですが、キャストさんそれぞれのキャラクターに合わせた「NOをつぶす」手段は、あらかじめ準備しておくことをおススメします。
連絡先交渉につなげる会話マニュアルは最低限用意しておく。
連絡先を聞く「理由」が明確にないと、お客様は渋りやすい。
断られそう・断られた場合の「NOをつぶす」マニュアルがあれば、好転するお客様も多い
今回はキャバクラで連絡先交換をするヒケツをお話しましたが、ベースは営業職の基本みたいなものだったりします。
「成功率をあげる」ことも大切ですが、不満やNOが出る流れはあらかじめ予測し、同時に「失敗率を下げる」ことが「達成」までの最善策です。
ポジティブなアプローチをしてもなかなか成果が出ない場合、お客様のどんな部分にネガティブやNOが発生しているか、一度お客様目線で想像してみて下さいね。
すべての女子よ、幸せになれ\(^o^)/
夜神つかさでした。
前回の水曜も夜ふかし…【ガチ恋客の処方箋】
「疑似恋愛」がキャバクラの醍醐味とも言われますが、そんなお客様がガチ恋になってしまったら・・・。
過去の水曜も夜ふかしは、全コラム一覧からお読みいたけます。
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夜神つかさ@水商売営業の人
@tsukasa_yagami
約15年人をこまして飯を食ってきた悪いアラフォーおば…お姉さんです(引退済)/キャバキャバにて営業術コラム「水曜も夜ふかし」連載中(https://caba2.jp/blog/yagami_yofukashi/…)/㈱キメラ代表取締役/発達障害(ADHD)/息子と夫(再婚)を溺愛/無言フォローお気軽にドゾ😌