キャバクラで働いていると、いわゆる枕営業を行っているというウワサのあるキャバ嬢の存在を耳にすることもあります。枕営業とは、自分の身体を武器にしてキャバクラにやって来たお客様とホテルへ行き、肉体関係を結ぶことで自分の常連客になってもらうという営業手法の一つです。
キャバクラに来る男性は少なからずキャバ嬢とそういう関係になりたいと考えている人もいますし、なかなか指名が取れないキャバ嬢が焦りから枕営業に手を出してしまうこともあります。
一見すると手っ取り早くて確実な方法に見えるのですが、そこには様々なリスクやデメリットが隠れているので注意が必要です。
枕営業と聞くと水商売に多いイメージがありますが、古今東西様々な業界で行われてきた一種の風習のようになっています。一般的には女性が男性に対して行い、仕事をゲットするということを意味しますが、最近ではホストなどの男性が女性に対して行うケースも増えています。
肉体関係によってお客様を自分につなぎ留め、たくさんのお金を落としていってもらうことで自分の収入に繋げているキャバ嬢も多いのですが、どんな業界でもこの営業方法はあまり良いイメージを持たれません。
枕はトーク術や接客スキルなどを磨かず、楽をしてお客様に来てもらう方法というイメージが強いため、プロ意識の高いキャバ嬢は自分の能力ではなく単純に体を使って指名客を捕まえる女の子に対して非常に厳しいです。自分が黙っていればバレないだろうと思いがちですが、キャバ嬢と関係を持った男性はその武勇伝をお店や友人同士で自慢したがるため、あっと言う間に周囲に知られてしまいます。ウワサにでもなれば周囲のキャバ嬢たちから卑怯者として白い目で見られてしまい、そのままお店で働けなくなることだってあり得るのです。
中には他のキャバ嬢の常連だったお客様を寝取ってしまうこともあり、店内で修羅場になってしまうケースもあります。このようなことが続けば、お店側もそのキャバ嬢を問題児として扱うようになり、様々な制限を課せられたり最悪の場合はクビになってしまうこともあります。
キャバクラと聞くと皆そういうことをやっているんだろうというイメージがありますが、実際には女性として絶対に枕には手を出さないキャバ嬢もいますし、基本的には枕は卑怯で反則だという意識が強いので、そこまで実践している女の子は多くないのです。仮にそのお店で枕をやっている女の子がいると、そこに在籍している他の女の子達までそういうことがOKなんだという目で見られてしまうため、お客様から強引に誘われたり、枕をやってくれないなら指名を外すと脅されてしまうこともあります。
お店関係での問題に加え、既婚者のお客様と関係を持ってしまうと余計な男女トラブルに巻き込まれてしまうリスクも出てきます。例え自分は営業の一環として行っていただけであっても、肉体関係を結んだ以上は相手と共にその配偶者に対して不貞を働いたとみなされてしまいます。
いわゆる不倫関係になったと判断されるため、恋愛感情があろうがなかろうがお客様の奥さんから訴えられれば負けてしまう可能性もあるのです。一度だけなら何とかなることもありますが、だいたいのお客様は2度3度と誘ってきます。継続して会っていればますます不倫として見られてしまうため、数百万円もの慰謝料を請求されてしまうこともあるのです。指名を獲得するために枕をしたのに、奥さんから慰謝料を請求されてしまえば指名料の何百倍ものお金が消えてしまうことになります。これでは枕をする意味が全くないので、特に既婚者相手の枕営業は避けておいた方が良いと言えます。
さらに、枕を使うと簡単にお客様を確保することができますが、こういった方法でゲットしたお客様はほとんど長続きすることはありません。お客様が指名してくれたとしても、それは体目当ての一時的な感情です。お店に来てお酒を飲んだりお喋りをするだけでは満足できなくなるため、次第にお店に来なくなったり毎回関係を要求されることもあります。
釣った魚にエサはやらないという言葉もある通り、男性は一度モノにした女性には急速に興味を失う傾向もあります。何回か関係を持つとプッツリと姿を現さなくなる可能性も高いですし、枕ばかりしていると何人ものお客様を短期間で相手しなければならないので身体への不安や性感染症のリスクも増してしまいます。
このように、安易に枕営業に走ってしまうと様々な代償を負うことになってしまうのです。
キャバクラとは本来、お酒を飲みながら若い女の子たちとトークを楽しみながら過ごす場所です。枕にばかり頼っていると、こうしたトーク術や接客の技術が一向に上達せず、いつまで経っても質の良いお客様を捕まえることはできません。
指名が取れなければ解雇か枕を繰り返すという悪循環に陥ってしまうばかりなので、安易な方法に頼らず自分の能力を磨いていくようにしましょう。