指名客を接客している時、ほかの指名客とダブルブッキングすることがあります。人気キャバ嬢になると指名客の来店が重なることは珍しくありません。
一人で全ての指名客を相手するのは無理ですから、指名されているキャバ嬢が席を離れて他の指名客を相手するとき、そのキャストが戻ってくるまでの「つなぎ役」としてヘルプが接客します。
ヘルプは単純そうな仕事に見えますが、ルールを破れば思わぬトラブルに発展する可能性があり、トラップに引っかからないように注意しなければなりません。
つまり、ヘルプには絶対に守るべき掟が存在するわけです。ルールを知らなければトラップにハマりトラブルを起こしかねないので、必ず事前に把握しておく必要がありますね。
ヘルプの席で接客するとき、他のキャストを指名している客と連絡先を交換するのはタブーです。お客さんのほうから「連絡先を教えて」と聞かれても断るのがヘルプのルール。
たかが連絡先の交換と思うかもしれませんが、「客を奪う」「指名替えさせる行為」として誤解されやすく、そうした勘違いやトラブルを招かないためにも初めから聞かないことが掟とされているのです。
かといって、お客さんにルールを押し付けるわけにはいきませんし、ヘルプが上手に断るのが基本です。不快を与えないように丁寧に断りましょうね。
キャバクラの接客は、基本的に接近接客です。しかし、これはフリーの席や自分の指名客に限ったこと。ヘルプでは接近接客は好ましくありません。
たとえば、お客さんの隣に座ってボディタッチしたり手に触れたり親密なコミュニケーションはNG。もちろん、色恋をほのめかすような会話も禁止です。
ルールを徹底するお店では、ヘルプ席に着くときはテーブル越しに接客させるところもあるそうです。つまり、ヘルプの接客は「適度な距離」をとりつつ「話し相手」になること。
そのうえでテーブルの整頓やお酒をつくるなど、基本の接客でもてなすのがヘルプの仕事です。ヘルプの席では周囲に誤解を与えぬよう、接近接客は避けるのがマナーですね。
ヘルプの席では「ドリンクいただいてもいいですか」とおねだりするのはNGです。お客さんのほうから「飲んでいいよ」と勧められても丁寧に断るのがマナー。
しかし、必要以上に断りすぎるのも相手の気分を害してしまうおそれがあるので要注意。
はじめに「私はヘルプなので・・・」と一度断ったあとで、「飲んでいいから」と強く勧められるようなら礼儀として頂戴するのはOKでしょう。
ヘルプの席を離れるときには、指名客と戻ってきたキャストに「ごちそうさまでした」と挨拶して退席するのがマナーですね。
もしヘルプの席で指名のキャストの話題になったら、絶対にそのキャストにとってマイナスになるような話は避けるのが鉄則。
たとえば、「○○ちゃんって性格きついよね~」なんて客からフラれても、うかつに「少し癖が強いですよね」とか「私もそう思います」なんて絶対に話にのってはいけません。
指名のキャストの話題になったら褒める以外の行為はNG。悪口や陰口と勘違いされるようなトークは避けるべきです。ノリが悪いと思われても、絶対にトラップに引っかかってはいけませんよ。
ヘルプの席で踏んでしまいがちな地雷が、指名のキャストの個人情報を喋ってしまうこと。たとえば指名客が、「〇〇ちゃんって〇〇区に住んでいるらしいよ」と話しかけてきたとしましょう。
つい、うっかり「えっ?私は〇〇区って聞きましたけど」なんて答えてしまうとアウト。
個人情報を漏らしたことになり、かなり厄介なトラブルに発展しかねません。住んでいる住所や趣味、実際の名前や年齢、彼氏の有無や生い立ちなど、指名のキャストに関わる情報を勝手に明かしてしまうのはNGです。
知っていたとしても「聞いたことありませんよ」とナチュラルにスルーするのがヘルプの役目。話題に出た時点で別の話にすり替えるテクニックを身につけておきたいところですね。
うっかり個人情報を漏らしてストーカーに発展したら重大責任です。聞かれたり話をフラれたりしても、指名のキャストの情報や事情を話すような行為は避けましょう。
単純そうに見えて意外と奥が深いヘルプの仕事。マナー違反やルールを無視すると思わぬトラブルをまねき、大きな問題になってからでは後始末が厄介です。
そうならないためにも、ヘルプの意味を理解してルールを把握しておく必要があります。ヘルプの仕事を嫌がるキャバクラ嬢もいますが、キャバクラはヘルプがいなければ上手く機能しません。
売れっ子キャバ嬢になるほど、「仕事がデキるキャストにヘルプをお願いしたい」と思うようになります。なぜなら、大切な指名客を自分の代わりに接客してもらうのですから、安心して任せたいと思うのは当然ですよね。
ヘルプは、他のキャストの指名客を預かる大切な仕事。ヘルプが完璧にこなせないキャバクラ嬢が一流になれるわけがありません。ナンバーワンや売れっ子も、必ず通った道なのです。
まずは、しっかりとマナーやルールを理解しましょう。ヘルプの仕事を完璧にこなせるようになれば、自ずと実力やテクニックが備わっていくはずです。