キャバクラにはいろいろなお酒がありますが、ワインやウイスキーよりもアルコール度数が低くて飲みやすいものがビールです。
外が暑くなってくると、焼酎や日本酒よりもビールを頼む人が増えてきますが、ここでキャバ嬢はビールを取り扱う時のマナーを心得ておかなければなりません。
それでは早速、ビールをオーダーされた時のマナーについて見ていきましょう。
まず、ビールを注ぐ時の基本的な持ち方と注ぎ方を確認していきます。
1、瓶の首と底を支える
大きめのビール瓶は重さがあるので、左手で首の部分を持ち、右手で底を支えるようにします。
片手で持つとグラグラして不安定になり、手から滑り落ちることもあります。両手でしっかりと瓶を持てば、お客さんに安心感を与えることができますよ。
2、瓶のラベルが自分の正面にくるようにする
瓶ビールにはラベルがついているので、瓶を持った時に自分の正面に来るようにします。間違って反対に向いていたら、向きを変えて正面に来るように持ち直してください。
瓶から注ぐ時には、ラベルが相手に見えるように少し瓶を持ち上げます。ラベルをチラっと見せてもらえると、お客さんは自分のグラスに何を注がれているのかが分かるので安心します。
3、瓶がグラスにつかないように注意する
ビールを注ぐ時、勢いあまってグラスに注ぎ口がくっついたり、ぶつかる場合があります。飲み口同士が当たると、日本ではとても失礼な行為になってしまいますので、注ぎ口がくっつかないように注意してください。
しかし、注ぎ口が当たらないように遠くから狙いをつけると、手前にこぼす可能性もあります。できるだけ「グラスの真ん中」を目がけて、ゆっくりと注ぐようにします。慣れないうちは、瓶とグラスの距離をはかるのが難しいかもしれませんが、何度も繰り返しているとだんだん距離感がつかめてきます。
グラスの中心に注ぐ際、最初だけ少し勢いをつけてあげると、泡がきれいに立ちます。泡が立ってきたら、ペースを落としてゆっくりと注いでいきましょう。
4、ビールの残量をチェックする
注いだビールの残量が半分程度になったら、「もう1杯いかがですか?」「注ぎましょうか?」などと軽く尋ねます。そこでおかわりのリクエストがあれば、先ほどと同じ方法でビールを注ぎます。
「いかがですか?」と聞いてもらえるだけでも、「この子は気が利くなぁ」とポジティブな印象を持っていただけますよ。
CMに出てくるようなもっちりとした美味しい泡は、「3度注ぎ(さんどつぎ)」という方法で簡単に作れます。瓶でも缶でも、ビールとグラスさえあれば簡単にもっちり泡が作れますので、自宅などで練習してみてください。
まず、ビールを注ぐためのグラスは冷やしておきます。ただし冷凍庫などで冷やすとグラスが割れたり、ビールがくっついたりするので、冷蔵庫や氷などで冷やします。
次に、テーブルの上にグラスを置いて、低いところから注ぎ始め、30cm以上の高さまでビールを持ち上げるようにして注ぎます。泡がグラスの半分~グラスの上あたりまで来たら止めます。
泡がだんだん下に下がっていくので、グラスの8分目ぐらいまで泡が下がったら2回目の注ぎに入ります。今度はゆっくり丁寧に、泡の中にビールを注ぐように少しずつ足します。グラスの9割までで止めて、泡がはじけなくなるまで待ちます。
シュワシュワという泡の音が小さくなり、泡がはじけずに残ってきたら3回目の注ぎに入ります。この時、泡の量はグラスのフチから1センチ程度下がっていればOK。3回目は、泡の中心にへこみができているので、へこみに向かって注ぎます。
泡がグラスから1センチ盛り上がるくらいまで注いだら、弾力のあるもっちりした泡ができています。
3度注ぎをマスターすれば、味も香りも良い、美味しいビールがお出しできます。お客さんに「すごいね!」と喜んでもらえますし、プライベートでも家族や友達などに披露できますので、ぜひ自宅などでマスターしてみてくださいね。
グラスからはみだすくらいのもこもことした泡を作るには、きちんと3回に分けてビールを注ぐことです。最初は下から上に向かって持ち上げるように、2回目は丁寧に注いで、3回目は泡を消さないように静かに注ぐようにします。
泡にはビールの香りや炭酸を抜けにくくする効果があるので、3度注ぎをすればいつも以上に美味しくビールがいただけます。
※もこもこ泡を作るのに必死になるとつい忘れてしまうのですが、ラベルを正面に向けるのを忘れたり、注ぎ口がお客さんのグラスに当たったりしないように注意してください。
ビールを注ぐ時には、最低限チェックしておきたいマナーがあります。普段から忘れずに意識して、お客さんに「できる子」アピールをしてみてください。
ビール好きなお客さんなら、完璧なマナーと注ぎ方の合わせ技で、間違いなくあなたのことを信頼してくれるはず。他のキャバ嬢より一歩も二歩もリードしたテクニックで、お客さんを感動させましょう。