聖誕祭直前
桜咲乃愛 が語る「想い」。
桜咲乃愛。言わずと知れた、歌舞伎町の大人気老舗店・NOWの大人気嬢だ。
常に高みを目指して背筋を張っている印象の彼女だが、私には長年不思議に思っていたことがある。
それは、なぜ不動の”歌舞伎町の女王”が君臨する店に居続けるの か。自らが「女王」にはなりたくはないのか。
その疑問をぶつけた時、彼女は想定外の真実を語り始めた。
「今」だから語れる、
桜咲乃愛の「想い」と「決意」―――――。
きゃばきゃば渾身のロングインタビューです。
————まず、お名前を教えてください。
乃愛:桜咲乃愛です。
————このお仕事を始めて、何年目ですか?
乃愛:5年になります。
————今日は、乃愛さんの生い立ちから掘り下げていきたいと思います。まず、小学生時代はどんなお子さんでしたか?
乃愛:絵を描くのが得意でした。ずっと妖精の絵ばかりを描いていたり(笑)。でも、コンクールで入賞したりもしたんですよ。あとは、植物とかも好きで…課外授業の時、図鑑を持ちながら歩いていて、おじいちゃん先生と列の1番後ろを歩きながら、あの植物はなんていう名前で、生息時期はいつ頃で…なんて話をしていたら、いつの間にかみんなの列からだいぶ引き離されちゃったり(笑)。あとは、一輪車も得意でした。
————マイペースさは昔から変わらないんですね。小学生といえば、甘酸っぱい初恋の記憶なんかもあると思いますが?
乃愛:私、小学1年生から中学3年まで、ずっと同じ人を好きだったんですよ!それが初恋です。
————長いですね。どんな男の子だったんですか?
乃愛:サッカーの上手い子でした。でも、私、ずーっと見てるだけで気持ちを伝えられなくて…教室の窓からグランドを眺めていて、その人が振り返ると「きゃっ!目があっちゃった!」みたいな感じでしゃがんで隠れちゃったりして(笑)。
————でも、その片思いのドキドキ感って1番楽しいですもんね。
乃愛:でも、私、告白も出来てないのに、中学3年の時に「ああ、この人とはダメなんだろうな…」って何故か諦めちゃって。
で、その時に告白してきてくれた子がいて、その彼とお付き合いすることになりました。
————その彼は、どんなタイプの男の子だったんですか?
乃愛:サッカーが上手な人。なんかそのぐらいの歳の頃って、サッカーが上手な子ってモテるじゃないですか(笑)。その子もサッカーが上手で、顔もかっこよくて、家柄も良くて…すごい大事にしてくれましたね。そういう、大事にしてくれる人が好きなんです。
————その彼とは長くお付き合いしたんですか?
乃愛:どのぐらいだろう…受験シーズン直前の時期に、私、ちょっと病気をして、もう半日後には死ぬかもとか言われる事態になって…。
————ちょっと待って、いきなりヘビィな話になってきたね。何の病気だったの?
乃愛:肺気胸です。ずっと苦しくて、歩いてると突然背中全体に激痛が走って、もう息も出来なくて道端にうずくまっちゃったりしてたんだけど、私、まじめだったんで、2分ぐらい耐えてたら痛みが治まるから、大丈夫かなぁと思っちゃって。塾も行ってたし、病院に行く時間もなかったので。
————ダメでしょ、それ!
乃愛:でも当時は大丈夫だと思っちゃったんですよ(笑)。友達のお母さんにも「ストレスじゃない?勉強ばっかりしすぎなのよ」とか言われてたんで、そうなのかなぁ?とずっと思ってて。でも、結果的にそれが良くなくて、気づいたときにはしぼんだ肺が心臓に絡まって、大変なことになってて…。
————治療にどれぐらいかかったの?
乃愛:トータルでは2ヶ月ぐらいなんですけど、最初に連れて行かれた病院では、処置できなくて。すぐに次の病院に回されたんですけど、そこもダメで…色んな病院を転々として、最終的には大病院のICUに入ってました。運ばれた当初は、進行が進んで状況がひどいから、持ってあと半日だろうと余命宣告までされちゃったんですけど、なんとか持ち直しました。
————奇跡の回復ですね。でも、時期は中学3年の受験直前…。
乃愛:だから、もう私は高校へは行けないんだと思ってました。でも、お母さんがすごい頑張って、色んな私立に行って、私の状況を説明しつつ、受け入れてもらえるかどうかを聞いて回ってくれてて。病室に、制服がかわいい私立学校のパンフレットをいくつか持ってきてくれて「どの学校がいい?」って聞いてくれたんです。その時に初めて「私も高校に行けるんだぁ!」と思って、すごく嬉しくて…その中から、1番制服が可愛かった学校を選びました(笑)。
————そこはぬかりないのね(笑)で、話は戻るけど、サッカーの上手な初彼とは?
乃愛:そう!彼ね、最初は私が入院してる病院に毎日来てくれてたんですけど、頻繁に病院が変わるじゃないですか。しかも徐々に遠い病院になっていって…来れない日は、メールでその日の出来事を教えてくれてたんですけど、ある日届いたメールに「今日は○○中学校の女の子と遊びました」と、女の子と撮ったプリクラが送られてきたんです。ちょっと、私とも撮ったことないのに!ってなって(笑)。
————バカな男だねぇ。せっかくかっこよくてお金持ちなんだから、誠実に行けば完璧だったのに。
乃愛:でも、その彼とは今でも時々連絡を取り合いますよ。今でもイケメンです(笑)。
————習い事はなにかしてましたか?
乃愛:小学生の頃は、水泳をずっとやってました。中学は塾があったから…ほんと真面目だったんで。
————そしてお母さんのおかげで進学した高校生活。
乃愛:私、制服だけで選んじゃったんで、学校がとんでもない田舎で…電車とバスで1時間とかかかるような場所で。
————高校の思い出って何かある?
乃愛:ずっとゲーセンにいました(笑)。なんか、一時期悪いことが一気に重なっちゃったことがあって…家族のことと、当時の彼氏と別れたこと、友達とケンカしちゃったことが重なって、闇を抱えてたことがあって…家でずーっと「戦国BASARA」をやってました(笑)。
————まさかのBASARA。病んでやるゲームじゃないでしょう(笑)
乃愛:なんかもう「私は真田幸村だ!」みたいな気持ちになってました(笑)。そこから戦国BASARAのアニメとかも観る様になって、その影響で他のアニメも観るようになって…引きこもってる間に、私、めっちゃアニメに詳しくなってて(笑)
で、闇が明けて、外に出るようになった時、ゲーセンに行くと、UFOキャッチャーの景品のキャラが全部分かるんですよ。そうすると、欲しくなっちゃうじゃないですか(笑)。それで、色んなUFOキャッチャーを制覇したりしてました(笑)。
————それが乃愛ちゃんのアニメ好きになったきっかけ?
乃愛:そうです(笑)今はもっと純粋にアニメが好きですよ。
————仕事が終わってから、アニメを観たりするの?
乃愛:しますよ。すっごい疲れてて、帰ってバタンっと寝ちゃって、途中で目が覚めて慌ててメイクを落とす時もありますけど、余裕がある時は、帰宅して、軽くご飯を作って、それを食べながらアニメを観てたり。そうするとあっという間に時間が経っちゃって「あ、もう○時じゃん!」とびっくりする時もあります(笑)。
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