歌舞伎で生きる女。第2回 三遊亭めい(Tonight3)Part 3/ブログ キャバクラ体入・求人バイト情報

更新:2019.01.09 作成:2016.10.24
歌舞伎で生きる女。第2回 三遊亭めい(Tonight3)Part 3
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更新:2019.01.09 作成:2016.10.24

水商売歴11年。歌舞伎町歴9年。

自らの城を築いた三遊亭さんゆうていめいが自店5周年を前に語る「想いほんね

歌舞伎町で知らぬものはいないであろう 三遊亭さんゆうていめい。キャバ嬢を経て誰しもが憧れる『牙城』を築き上げたオーナー。

どこか勝気で歯に衣着せぬ言動は、自らが生きてきた道を悔いていない者の証だろう。

しかし、そんな彼女にも苦悩と挫折はあった。

夢を追い、夜の世界に飛び込んだ彼女が語る華やかな時代・独立・妊娠・結婚・オーナーとしての今…。

『Tonight3』5周年を目前に控えたオーナー三遊亭さんゆうていめいが語る壮大なロングインタビュー。

 

Profile

キャスト:三遊亭めい

在籍店舗:トゥナイト3
生年月日:5月11日
取  材:めぐたん

歌舞伎町で生きる女。Part 3

 

————店でもTVでも会えるキャバ嬢か(笑)。歌舞伎で働きながらも夢は諦めなかったんだね。

めい:でも、どこかで区切りは付けなきゃとは思ってて。このまま歌舞伎町でズルズルとやってていいのかな?と思って、一度東京を離れようと、USJの『ウィキッド』っていうミュージカルのオーディションを受けたんです。それで最終審査に残って、私含めた三名だけ先に採寸までして衣装合わせもして、これはもう決まったな、とか思ったんですけど、不合格通知が来て。その不合格通知が来た2~3週間後ぐらいに、『ウィキッド』自体が無くなることが公式ページで発表されたんです。それでもまぁ、不合格には変わりはなくて。それが24歳の頃かな?

 

————キャバ嬢としても開花してきた頃だね。

めい:1番稼いでた時期だったんですけど、だからこそ1度この場所から離れないと、いつまでも有耶無耶になっちゃうなぁ、と思って。その時は『レヴュー』というお店にいたんですけれど、結局場所を変えることは出来ず(笑)。

 

————その後『レヴュー』から、系列店の『エヴァー』に移籍になってるよね?

めい:お互いを感化させる為に、お店同士でキャスト何人かずつトレードするというお話があって。それで行ったんですけど、その直後に3.11の震災があって、縮小営業することになって『エヴァー』の子たちは系列店に移籍になったので、私はまた『レヴュー』に戻ることにしました。

 

————ちなみに震災当日は何をしてたの?

めい:舞台の稽古をしてました、三鷹で。大林素子さん主演の舞台でした。

 

————そこからしばらくは『レヴュー』で働いて、めいちゃんは26歳で独立したね。そこに至った経緯は何ですか?

めい:『レヴュー』ってすごくいいお店だったんです。今でもいいお店だったな、って思うし。当時、私なんかじゃ入れない店ってスカウトマンたちにも言われてて(笑)。なぜか採用していただけましたが(笑)。先輩たちはみんな綺麗で、すごい仕事が出来て。私なんかじゃどんなに頑張っても10番に入れるかどうかって感じのお店で、とにかくまぁ凄くて。先輩たちの足元にも及ばないんだけど、とにかく楽しいしやりがいがあって。でも、月日も経てば、徐々に先輩たちが辞めていっちゃって、お店の体制も変わってきて、そこに馴染めない自分がいて。でも、他のお店に移ろうにも、『レヴュー』よりもいいお店って思いつかなかったし…そこに不満があったり、やりづらいと感じてるのなら、そこに順応できない自分が悪いんだし。だったら自分でお店をやって、そこに自分のお客さんを呼んで、自分の好きな女の子たちを雇って、一緒に盛り上げてもらって、今と同じぐらいの収入を得られたら、もっと自分にも自由な時間ができて、もっと色んなことができるかなぁ?っていう、安易な考えから店をやっちゃったんです。

 

————そしてようやくお店が26歳の12月にオープン。しかし、オープンした数ヶ月後、人生の中で重大な出来事が起きるんですよね。

めい:赤ちゃんが出来ちゃいました。『Tonight3』をオープンしてすぐ…3月に妊娠が発覚しました。ずっとお付き合いしてる人はいたんですけれどね。

 

 

————妊娠が発覚した時、どんな気持ちでしたか?

めい:旦那とは家がすごい近所だったんで、半同棲状態だったんですけど、素直に嬉しかったです。でも、どうしようって気持ちもありました。最悪、店をたたんで引退するかもしれないということも、従業員の女の子たちに伝えました。多分、売上も悪くなるだろうし、私がいつまで店に出れるかも分からないし、いつ店を閉めるか分からないから、いつ辞めて行ってもいいよという話はしましたね。でも、実際に辞めた女の子はいなかったので、有難かったですね。

 

————すごいね、人望の成せるところだね。そもそもキャバクラではなく、ガールズバーを経営しようと思ったのは何故なんですか?

めい:私が昔働いていたお店に、深夜店があって。朝まで営業していたんです。レヴュー時代は1時に仕事が終わって、アフターで朝まで飲み歩く日々だったので、朝まで働けたら良いのになと思ったりしてて。風営法も厳しいし、バーだったら朝まで営業出来るなと。あとは、同業のお客様も結構いたので、バーだったら仕事終わりにもっと来てくれそうだなって。今でこそガールズバーも沢山ありますけど、当時はまだ数が少なかったので勝負出来るかもと思いました。あと、色んなガールズバーに飲みに行ってみて、女の子の受け口が広いという印象や、客層の幅も広いという印象を受けたのと、キャバクラより時給も安いし、箱も大きくなければ、リスクも少なくスタート出来ると思いました。

 

————めいさんの場合、元々の知名度があるから、立ち上げ当初のお客さんの入りに困ったりしたことはなかった?

めい:売上に関しては、宣伝しなくてもまったく困らなかったですね。妊娠するまでは。

 

————逆に妊娠してからが大変だった?

めい:大変でしたね。やっぱり出勤出来ない日もあって。自分が毎日現場に出ることを前提で店づくりをしていたから、女の子達に任せる、ってことをいきなりやることになって。教えること、やらせる業務、たくさんあって、女の子達は大変だったと思います。私を目当てに来てくれるお客様がまだ多かったので、臨月まで顔を出していましたね。でも、目の前に働いてる妊婦がいて、万が一何かあった時に自分も責任を感じちゃいそうだからお店に行きたくないって嫌悪する人も多かったです。あとは『旦那も出来て子供も出来たんだから、もう店を閉めるんでしょ』って言われたり。

 

————色恋の果てに醒めて去って行ってしまったお客さんもいるの?

めい:もともとお客さんたちには『私はちょー遊んでる。彼氏もいっぱいいる』って冗談で言いまくってたから、別にそうでもなかったんですよ。妊娠が発覚して、その時初めてお客さん達に『実は長く付き合ってた人がいるんだよね』って話をしても、あまりビックリされなかったな(笑)。祝福の言葉をかけてくれる人が多くて嬉しかったです。でも、同業のお客さんたち…ホストとかスカウトマンとかは、『同業だし、本当の本当のことを言ってくれてただろう』みたいな気持ちがあったのか、結構離れていっちゃいましたね。旦那が同業者ってこともあると思いますが。

 

————そして11月22日にお子さんを出産して、その後はどのぐらいから現場復帰したの?

めい:子供が生まれた10日後が店の1周年だったんですよ。だから1周年の日に復帰して、その日はお酒も飲んじゃいました。

 

 

————そこからはお客さんの入りも回復した?

めい:徐々にですね。赤ちゃんの身体って生後6ヶ月まではすごい強いんですけど、半年を過ぎると母体からの免疫力が無くなって、風邪ばっかりひくんですよ。だから思うように仕事が出来なくて。『今日出勤するよ』ってお客さんに伝えても、娘の急な体調不良で突如出勤出来なくなるということもかなり多かったです。一歳半くらいまでそんな感じでしたね。

 

————話は少し戻りますが、お店を立ち上げる時に反対する声はありましたか?

めい:あー、もうそんなんばっかりでしたね。キャバクラ経営者たちには、いかにキャバ嬢は稼げるか、いかにバーは稼げないか、キャバ嬢を続けたほうが良いとたくさん聞かされました(笑)女の子からは特に後ろ向きなご意見が多かったですね(笑)。

 

————それは同性特有のやっかみだよね。

めい:そうなのかなぁ?オープンしてからも『大変でしょ』とか『子供も出来て…』とか『すぐ潰れるでしょ』とかね。あとは『本当は他に経営者がいて、全部やってくれてて、三遊亭めいの名前だけ出してるんでしょ?』っていうのは多かったですね。

 

————それ、直接顔を見て言ってくるの?

めい:直接言ってくる人もいれば、お客さんたちから又聞きのときも(笑)。会ってるときは『凄いね』『遊びに行くね』とか言ってくれるのに、お客様には『どうせすぐ潰れるよ』って言ってるキャバ嬢さんとか…こわいですよね(笑)。

 

————キャストさんがお店を出すというのは、珍しい話なのかな?

めい:どうだろう、ちょこちょこと居る印象ですけどね。店を出すにあたって、旦那が多少の出資はしてくれてます。共同経営のつもりでしたね。現場のことは私がやる、経理関係は旦那がやる、という役割分担をして。でも長く付き合ってた相手でも、お金が絡んでくると仲良くは出来ないです(笑)。揉めまくりな日々に、結局ひとりでやっていくことにしました。

 

————その時の旦那さんの反応は?

めい:物件探すにしても、お店の従業員を揃えるにしても、全部私ひとりで動いていて、彼は1mmも携わってないんです。経理関係は彼がやってくれることになってましたが、彼も仕事が忙しく手が回らなくて、結局経理も自分で出来ちゃったし。店の女の子たちも全員私についてきてるし、もう彼が入るすきは無いって感じでしたかね…。この日から1人でやっていく、って決まったわけじゃなくて、状況がそうさせていったのかな。当初は利益の何割ずつ、っていう口約束はあったんですけど、お金も渡してないです。

 

————出資の話はなかったことになったんですか?

めい:お店のことでは揉めつつも、27歳の7月21日に結婚式挙げて、夫婦になったので、返してくれっていうのもないですね。

 

————優しい旦那さんだね。そして遂に2016年、めいちゃん31歳の12月に『Tonight3』は5周年を迎えるわけですが、その間に子供以外のことで店を畳もうと思ったことはある?

めい:全くないですね。

 

 

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お店紹介

Tonight3(トゥナイト3)
東京都新宿区歌舞伎町1-2-7
ダイカンプラザ星座館ビル5F
03-6228-0059
OPEN 20:00
店休日 無休

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