キャバクラで働いている男性の店員は黒いスーツを着ていることから「黒服」と呼ばれています。キャストやお客さんからは「ボーイさん」と呼ばれることもあります。
キャバ嬢とお客さんが楽しいひと時を過ごせるように黒服は店内のいろいろな業務をこなしつつ、サポートを行います。キャバクラの主役はお客さんでありキャバ嬢なので目立たないように過ごすことも黒服の重要なお仕事です。
黒服は何かと地味な印象がありますが、目立たないながらもいろいろなお仕事をこなしています。今回はキャバクラになくてはならない黒服の仕事について、詳しく紹介したいと思います。
黒服の役割は大きく分けて3種類、店長・マネージャー・ウェイターとなります。店長の下に副店長がいるお店もありますが、基本的に誰でも最初はウェイターとしてお店に入り、その後経験を積んでマネージャー職にランクアップし、マネージャーからさらに信頼を得るとお店を丸ごと任される店長になります。
アルバイトでも正社員でもお店に入った後はまず、ウェイターになります。店内の掃除や雑務などをこなしながら、キャバクラのお仕事に慣れていきます。ウェイターの上にはマネージャーがいるので、基本的にマネージャーの指示を受けながら開店や閉店の準備をします。
ウェイターになってスキルを積むと、次にマネージャーにランクアップします。キャストが働きやすいようにサポートをしながらシフトを組んだり、新人に教育をしたりと、店内のスタッフに絡む機会も増えてきます。
マネージャーで経験を積んだ後はいよいよ店長職にステップアップをします。競争率が高いお店では誰でも店長になれるわけではなく、マネージャーから店長になるまでに時間がかかる場合もあります。お店を丸ごと任される責任者になると、すべてのスタッフの上に立ち、お店の経営(マネジメント)やキャストのローテーション、季節ごとのイベント企画なども一手に引き受けます。
黒服はお店の中の基本的な業務をこなしながら、店内の治安を守る警備の役割を果たしたり、店内の掃除やマネジメント業務なども行います。
黒服はいつもホールにいて、女の子の傍にいるイメージがありますが、実際には何人もの黒服が役割を分担してお仕事にあたっています。
キッチンのお仕事は、主に食器を洗って乾燥機にかけたり、お客さんにお出しするドリンクやフード作りなどがメイン。灰皿の清掃やテーブルの清掃なども基本のお仕事です。料理やドリンクに力を入れているお店では、専門のシェフやバーテンダーを雇っている場合もあるので、そのようなお店では料理以外のキッチン業務を担当します。
ホール業務は、お客さんを入店から退店までスムーズに案内し、店内でのドリンクやフードのあげさげ、テーブルやフロアの清掃、トラブルやクレームの処理などを担当します。
キッチンとホール以外では、フロント(受付)のお仕事があります。お客さんのお出迎え、料金システムに関する説明をしたり、店内にスムーズにお客さんが入れるように、ホールの黒服とやり取りを行ったりします。
黒服は、できるだけ目立たないように静かに過ごしながら、キャバクラにやってきたお客さんとキャバ嬢をうまくサポートしています。タバコや食事などを買いに行ったり、酔ったお客さんがキャストにセクハラをしないように阻止したり、お客さんのキープボトルの銘柄を把握したり、常連のお客さんに丁寧に挨拶をして回ったりと、キャバ嬢顔負けの接客と店内業務を行います。
キャバ嬢やお客さんにトラブルが発生すると、黒服はすぐに人と人の間に入るなどしてフォローをします。その際も、お客さんをお店の外に出したり荒っぽいことはせず、必要に応じて話を聞いたり謝ったりと目まぐるしく対処をします。怒り心頭のお客さんには、それ以上暴れたり騒いだりしないようになだめて、言動がひどいお客さんにはやんわりと注意なども行います。
キャバクラでの黒服の仕事は細かく、お店全体を取り仕切る場合もあれば、雑用がメインのウェイターのお仕事もあります。ただし、いつも必ずウェイターということではなく、ある程度実績や経験を積むことで、
数年でマネージャー職までステップアップできることも珍しくはありません。人手不足のお店では、早めに昇進ができる可能性もあるようです。
もしも黒服がお店に一人もいなければ、キャバクラのお仕事はまったく成り立たないでしょう。お客さんもサポートを必要以上に受けられないと分かるとガッカリしてしまいますし、他のお店に替えてしまうかもしれません。
最初のうちは雑用が主体なのであまり活躍の場は与えられない可能性がありますが、経験を積むごとに期待される部分も変わってきます。
キャストやお客さんだけではキャバクラの快適な空間は失われてしまいます。黒服は常に縁の下の力持ちとなり、キャバクラ店を支える「なくてはならない存在」なのです。