キャバ嬢にとって延長をもらうテクニックは必須。
そこで今回はビーカイブで紹介されている「プロ弁護士の心理戦で人を動かす35の方法(著:石井琢磨)」を参考に、お客さんから延長をもらうコツを学んでみましょう。
ある男性弁護士が、キャバクラに行ったときのこと。40分8000円のお店です。気に入った女性を店外に誘おうと頑張りますが、なかなか効果が出ません。40分経過するごとに女性から言われます。
「まだ一緒にいてもいい?」
「もちろんだよ」
この会話で指名料が発生します。女性が飲んだドリンク代もどんどん加算されていきます。2時間が経過しても店外に連れ出せそうもありません。そんなタイミングで女性が耳元にささやいてきました。
「このオプション頼んでいい?」
男性は悩みます。もう連れ出すのは無理ではないか。それを見た女性はたたみかけます。
「せっかく遊びに来たんだから…ねえ」
そうだよな、せっかくここまでがんばったんだからオプション代くらいいいか。この男性もサンクコストにより、冷静な判断ができませんでした。このようにサンクコストは交渉を有利にすすめる心理テクニックです。
サンクコストとは先に払ったムダなお金のことです。一定額を払ってしまうとそこまでに払ったお金を捨てるのがもったいなくなり、まともな判断ができなくなります。
店外に連れ出すのは無理じゃないかと感じつつも、そこまでに払った金額が気になり、ここまで払ったんだから最後までがんばろうと考えてしまうのです。
詐欺でも悪用される考え方です。最初に10万円などを払わせて、「利益を上げるためには、あと20万円が必要です。いまやめると、最初の10万円も戻ってこないですよ」と追加投資を促す詐欺は頻繁に起きています。
サンクコストは、お金だけに限らず、時間にも当てはまります。一定の時間をかけたことを途中で止められないのです。
心理戦においては、このサンクコストの法則を使うことでうまく合意に導くことができます。相手に、「せっかく〇〇したんだから」と感じてもらえれば良いのです。
一般的には時間を使わせることが有効です。交渉などに時間をかけることで、「これだけ時間をかけたのだから、話をまとめよう」という考えに持って行くのです。
もちろん時間をムダにかけさせるのはよくありません。交渉中に「トイレに行ってくる」と牛歩戦術を使うというのは間違いです。
交渉では、簡単にまとまる事柄と揉める事柄があります。時間を使う際、簡単にまとめる事柄を先にし揉める事柄を最後に回します。揉める事柄の交渉に入った際に、「せっかくここまで時間をかけたのだから」と、揉める事柄も妥協してもらえる確率が上がります。サンクコストは、妥協を正当化させてあげるためのものです。
交渉を重ねることは、時間以外にエネルギーを使わせることにもなります。交渉の際に、接触頻度を増やしたり共同作業で進めるのは、このサンクコストの側面からも有効なのです。
ただし、注意点が2点あります。
サンクコストの考えを使う際には、「せっかく〇〇したんだから」と相手が感じてくれるもの、相手が価値を置いているものを消耗してもらう必要があります。
ヒマな人に10時間かけても大したことないと思われますが、忙しい社長であれば、3時間であっても「せっかく時間をかけたんだから」と感じてもらえます。
相手にとって価値があるものを使ってもらえないと意味がありません。ヒマな人を相手に自分の時間だけを投資してしまうと、自分のほうがサンクコストのワナにはまってしまいます。
また、それまでに使ったものと新しく判断するものがかけ離れすぎていると、「せっかく〇〇したんだから」という発想になりません。
たとえば、今までに投資したお金が2万円、新たに請求されるオプション代が10万円だったら、「せっかく」という発想ではなく、「2万円くらい仕方ないか、あきらめよう」という発想になってしまいます。少しずつ消耗してもらうのが正解なのです。
心理戦でサンクコストを利用する際には、この2点に注意してください。
参考:プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法(著:石井琢磨)
出典:ビーカイブ
こんな高等心理がマスターできれば、いろんなシーンで活用できそうですね。
ワンセット1万円を使ったとして、もう1セット延長をもらうには「いかに1セット目を楽しませて次のセットに期待をもたせるか」がポイント。
サンクコストはキャバクラに限らずビジネスで用いられる高度な交渉スキルです。
ぜひ、ほかにも男性心理を学んで接客に役立ててみてはいかがでしょうか。