キャバクラにやってくるお客さまの多くは、指名をせずフリーで会話やお酒を楽しまれます。もちろんお気に入りの女の子を指名してくれる方もいますが、最初は様子見でフリーから入るという方も一定数いらっしゃいます。
フリーのお客さまに対してポジティブな印象を与えるというのは、なかなかに大変です。外見の好みの問題もありますし、声を聞いて好き嫌いが分かれる場合もあります。
フリーのお客さまを相手にする場合は、トーク内容によっても印象が分かれます。できれば楽しく盛り上げて、思い出に残るような時間を過ごしてもらいたいところですが、具体的にはどのようなネタを振っていけばいいのでしょうか?
初対面のお客さまに対しては、「はじめまして」「よろしくお願いします」などの定番の挨拶をして、席につきます。二度目や三度目、それ以上ご来店されている方には、顔見知りということで少し気軽に話し掛けてもOKです。
「お仕事帰りですか?」「また来ていただいてありがとうございます」など、軽い挨拶レベルの会話からスタートしていきましょう。
次に、シンプルにお天気の話やお食事の話などをしてみます。「最近、風が強いですね」「今日はもうお食事されましたか?」など、天気と食事の話は特に仲が良くない相手にもできる鉄板の話題です。
へたに難しい話をしてみたり、相手の性格やプライベートを聞き出すようなことは避けて、まずはシンプルな質問から入るといいと思います。
「そろそろクリスマスですね」
「雪降ってましたよー、キレイでしたね」
「クリスマスってどう過ごされてますか?」
「イルミネーションとかキレイですよね」
「(家庭やお子さんがいるお客さまに)ツリーの飾り付けとかされるんですか?」
「(お子さんがいるお客さまに)サンタさん楽しみにしてると思いますよ!」
など、イベントや季節に関する話題はいくらでも見つかります。
お客さまの誕生日が近い場合、当日にはまだ早いけれど、少し早めに祝ってあげるのも気が利いた対応と言えます。(誕生日サービスをやっているお店では、さりげなくPRを入れておいてもいいかもしれません)
季節やイベントに関するネタも鉄板ですが、もちろんネタの振り逃げはNGです。
会話のキャッチボールを楽しみながら、ネタを膨らませていくのが、スムーズな会話のコツです。
また、こちらからいくつか話題をした後は、相手が乗ってきた話題について行くようにしましょう。
こちらから必死に話題を振ったとして、それに確実に答えてもらえるとは限りませんので、相手が話しやすそうな話題が一つでも見つかったら、そこを重視して育てていくようにしましょう。
天気・食事・季節・イベント以外のネタとしては、お客さまが身につけているもののお話も鉄板です。
「その時計○○ですよね!私も好きです」「アナログ式なのにはこだわりがあるんですか?」など、まず頭から褒めるのが鉄則。
褒める以外にも、目に入ったものをくまなく話題にしたり、相手にさしさわりのない程度で褒める、あるいは質問するなどしても良いでしょう。
鉄板ネタ以外にも、会話中はいくつか心がけたいことがあります。
1、流れを意識する
すべての会話には、挨拶から始めていくつかの流れがあります。
挨拶→話す場所を決めて、お互いの距離感を調節する→無難なネタを振って互いの様子を見る→お互いに興味のあるネタを模索しながら会話する→お互いにのれるネタが見つかる→どんどんそこを掘り下げて盛り上がる→お酒や食べものなども交えながら、楽しい時間を過ごす→連絡先が聞けるようであれば聞く→次の約束が取れるようであれば取る以上のような流れが必ず出てきますので、トークやお酌、お酒づくりだけに専念せず、流れ通りに対応していくよう時間を配分してみてください。
2、相槌を打つ
会話の中で、話している本人は聞いている人の態度に注目します。キャバクラの場合、フリーとはいえお客さまは、嬢がどの程度自分に興味を持ってくれているか、話しやすいかどうかを厳しく判断しています。
どこかのタイミングで相手の方をしっかりと見つめる、あいづちをしっかり打ってあげるなどの行為は、「ちゃんと聞いていますよ」という姿勢を相手に印象づけられるので、会話ばかりに集中せず、適度なタイミングで相槌も打つようにしてみてください。(ただしやり過ぎは不自然な印象を与えるのでNG)
基本的に、相槌は不自然であってはいけません。早すぎる相槌は「ハイハイわかってますよ」という失礼な印象を与えますし、「一切目を合わせない」「下や横を向きっぱなし」といった、お客さまを無視するような行為は最悪です。
いかがでしたか?
フリーのお客さまとはいえ大切なお客さま。「指名してくれないなら、ちょっとくらい適当な接客でもいいかな?」と、つい適当にあしらってしまうこともありますね。
まずはシンプルな話題からだんだん話を盛り上げていき、仲良くなって、本指名へとつなげていきましょう。