一年のうちで、歓送迎会や忘年会、社長へのお祝いなど、お客さんがキャバクラに団体で繰り出す機会というものがあります。いつも一人で来てくれているお客さんが、ある日会社の上司や同僚さんと一緒に来られることもあります。
団体さんでキャストさんを指名することを「団体指名」と呼びますが、こちらはキャバクラの繁忙期にもっとも増えます。
キャバ嬢として働いていると一度か二度かこの団体指名を経験することになりますが、団体さんからの指名がいただけるのは嬢にとってこれとない幸運です。
新人の嬢はたくさんの人を相手に話した経験が少ないため、戸惑ってしまったり、理想的な接客ができなかったりと、さまざまな悩みを経験します。
そこで今回は、団体のお客さんへの接客で注意しておきたいポイントを見ていきましょう。
団体のお客さんに対し、キャストの数が足りていればマンツーマン(1対1)になりますが、1人のキャストが同時に何人かまとめてお相手をしなくてはいけない場合もあります。
2人以上になると、嬢は2人のお客さんの間に入ってお話をすることになりますが、3人以上はさらにポジション取りが難しくなることから、身近な人だけでなくちょっと遠くにいる人とも、コミュニケーションを取らなくてはなりません。
遠くに座っている方には「失礼します」と一声かけたり、一人一人の前を回りながら、距離を近づける工夫をしなければなりません。
よくあるケースとしては、自分の両隣のお客さんとばかり話が盛り上がってしまい、遠くに座っているお客さんに話が行き届かないケース。遠くのお客さんは、なんとなく疎外されたような気持ちになってしまうようです。
3人を接客する場合、両隣のお客さんにまず意見を聞いて、次に必ず3人目のお客さんにも意見を仰ぎましょう。
少し手間がかかりますが、ここで丁寧に接客ができれば、「楽しかった」「盛り上がったね」と、お客さんの間でも良い思い出ができます。
お話を聞いたり話を盛り上げるのも大事ですが、こまめに灰皿を交換したり、飲みものやお食事のサービスも全員分意識していきましょう。
たとえばライターが必要なら、こちらで察知して、すぐに取り出せるように準備しておきます。
自分が接客する相手の人数はもちろん、人数ごとの動きを予測して、次は何をするべきか?と考えながら動いていくと良いでしょう。
自分の近くにいるお客さんとだけゆっくりと丁寧に話をしているのに、それ以外の席のお客さんとはほとんど会話なし。
…これでは、キャバクラに来てよかったという人と、別に来なくても良かったと、ネガティブな感想を抱く人に分かれてしまいます。
基本的にお客さんを何人相手しようが、全員に丁寧に応対し、接客することを心がけましょう。
「席が近いから」「ノリがいいから」「好みのタイプだから」と、対応に差をつけずに、全員に挨拶をして楽しくその場が盛り上がるような雰囲気づくりをしていってください。
ドリンクは自分からねだらないように注意が必要です。団体さんの場合、その日の予算が決まっている可能性もありますので、余計な出費が出せない場合も少なくありません。
予定にないお金を使わせると団体内でもめやすくなりますし、「高かったからあのお店はもうやめよう」と離れていく原因にもつながりますので、ドリンクはお客さんから「飲む?」と言われた時だけリクエストするようにしましょう。
同じ話や一人の人の話が続くと、お客さんによっては飽きてくる場合があります。その際は話題をうまく変更したり、みんなで盛り上がれるような配慮をしていきましょう。
また、嬢は同じ方向ばかり向いて話さずに、全員の目を見渡しながら話をするようにしましょう。
いかがでしたか?
キャバクラにいらっしゃるお客さんは、個人から団体までさまざま。特にキャバクラの稼ぎ時と言われる4月や12月は、団体でのご指名がたくさんいただける繁忙期になります。
団体のお客さんに気に入っていただけると、お店にとっても、他のキャストさんや自分自身への利益にもなります。
一度喜んでもらえたら、再び団体で来店していただける可能性がありますし、団体さまの中からお一人でご来店されることもあります。
指名してくれたお客さんに気に入られれば、その後もいろいろな人を誘って、長くお店に通って下さるかもしれません。
嬢は、積極的すぎる営業は避け、同時にすべてのお客さんに丁寧な接客を行っていきましょう。できれば団体さまのご予算などにも気を配り、その日の予算を上回らないように上手な飲食を提供する姿勢も大切です。
一人一人への配慮から全体のお会計にまで気が配れれば、「細かい気遣いのできる子」として気に入られ、将来的に常連さんになっていただける可能性もありますよ。